諸塚村について

パッチワークのような山、日当たりの良い斜面に茶畑や家々が並び、その間を縫うように道路が通る。

どの家の庭からも向こうの山や、そこに点在する集落が見渡せる。思わず「ヤッホー」と大きな声を出して、帰ってくるこだまを聞きたくなる。それが諸塚の代表的な風景です。

 

「モザイク林相」と呼ばれる針葉樹と広葉樹のバランスの取れた森も、家々の周りの段々畑も、美しい曲線を描く茶畑も、諸塚の人たちが平地の少ないこの山あいで、土地を保全し安全で安定した暮らしを守ってきた証。

森の保水力を保ち山を守ること、中腹に屋敷を開き家を建て集落を築くこと、斜面に適した作物を作り、牛を養い生活を安定させること。そうしてできあがったコミュニティを守っていくためのさまざまな知恵。そのすべての中心に山があり、森があります。

夕暮れ時、空に星がきらめきだす頃、向こうの山の中腹にも、いくつもの明かりが灯ります。
「ああ、この山の村は温かい。」
人の暮らしと山とが穏やかに溶け込んでいる、そう思えてくるのです。

諸塚村概要

人口 1,371人 2023年7月1日現在
面積 187.6 km²
気候 年平均 15℃
降水量 平均年間 2,700mm
都心へのアクセス ・車でのアクセス
日向市 約50分
延岡市 約1時間30分
宮崎市 約2時間30分
熊本市 約2時間30分
世界農業遺産 2015年12月、諸塚村を含む「高千穂郷・椎葉山地域」が「世界農業遺産」の認定を受けました。
これは、国連食糧農業機関FAOが環境に適応した伝統的な農林水産業とそれに付随する景観や伝統文化を認証するもの。
この地域で営まれてきた農林業複合経営や、自治公民館活動や神楽に代表されるような伝統芸能の伝承を通じて培われてきた強力な地域コミュニティが、世界的にも価値のあるものであり次世代に受け継ぐべきものとして評価されました。